The Thinking World has no Time and It Can be Forever
「有限の現実世界はすなわち無限の思念の世界であり、ある意味で人生は無限に続くディテールの連続？」
「右の思考は一般論ではなく、”私”に個別に与えられたものである、ということ（＝”誰もが自分は特別であると考える”性向にことさらに媚びる部分でもある。）」
「あくまで、普遍的問題ではなく、個人的な問題であること」
本棚から引っ張り出した村上春樹の文庫本の一番最後の余白に書き込んであった、自分のメモ。２０年以上前のものと思われますが、今となってはいったい何が言いたかったのか、まったくわけがわかりません（笑）。
それはそれとして、マイクロ・フォーサーズの「PRO」レンズをついに導入！そして同時にフォーサーズの「SHG（Super High Grade）」レンズを中古にて入手。上の二枚は、同一の焦点距離（25mm）、絞り値（F4）、ISO感度（ISO200）で撮影したRAWファイルを、Adobe Lightroomにて色温度を合わせ、シャープネスを「風景」にして出力したもの。
ファイル取り違えたかなと思って何度も確認しましたが、上がE-M5、下がE-1で間違いありません。2003年のデジタル一眼黎明期のマシンでも、レンズさえ良いものを使えば、全然いけてますね。連射であったり、書き込み速度であったり、というところでは当然太刀打ちできないのですが、オートフォーカスに関しては、20年近く前のボディでもこのレンズとの組み合わせなら十分な速さです。（あまりに速く静かに合焦するので、最初、レンズ壊れて動いていないのかと思ってしまった。。）
「思念には時間というものがないのです。それが思念と夢の違いですな。思念というものは一瞬のうちにすべてを見ることができます。永遠を体験することもできます。クローズド・サーキットを設定してそこをぐるぐるとまわりつづけることもできます。それが思念というものです。夢のように中断されるということはない。」（村上春樹「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」より）
ページが折ってあって上のところにチェックがついていましたが、何かここに響くものがあったのでしょうか。今となっては自分自身の「思念」がまったく不明。「博士」のいう「思念には時間というものがない」というのは、そういうことだったのか？
上の二枚も、二台のカメラで焦点距離、ISO感度、絞り値いずれも同一で撮影したRAWファイルを、Adobe Lightroomで色温度を合わせてシャープネスを「顔」にしてJpeg出力したもの。
色温度も合わせているのですが、こうしてみると、色合いはコダックのCCDセンサーを載せているE-1の方が赤みがかかってますね。
こうして２台の異なるカメラで同じ被写体を撮影した画像を見比べていると、ふと、二人の人が同時に、いっしょに見ている同じ世界も、実はほんのちょっとだけ違っているということがあるんじゃないか、とふと思いました。
どちらが自分の目で見ている実物により近いですか、と自問自答するとすれば、E-1の方かな、という気がします。E-M5のCMOSセンサーの方は、いかにもデジタルカメラで撮影しましたっていう感じに見えるというか。。特にLilyの毛色はこんなに黄色くはみえないかな。Red Tabbyというくらいだし。。
しかしそういう私の目が見ている世界というのも、真実の世界を正確に認識しているのかというと、それもよくわかりません。
「それは安らかな世界です。あんた自身が作りだしたあんた自身の世界です。あんたはそこであんた自身になることができます。そこには何もかもがあり、同時に何もかもがない。」（村上春樹「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」より）
それはさておき、二匹ともよく寝てるね〜。気持ち良さそう。
