Untitled Trueman's Digital Archive

~Gallery of Hindsight 2020~

I Sometimes Sleep under the Stars.

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Olympus E-1 + Zuiko Digital 25mmF2.8 + ORF Developed by LR

中学生から高校生だったころ、読んでいた本。社会人になってしばらくたったある日、会社帰りに石川台の駅前にあった小さな古本屋の店先で見つけて、懐かしくなって何冊か「大人買い」しました。といっても、それも30年近く前のことで、その時に買った本たちは、何度か移動を繰り返しているうちに紛れてどこかにいってしまい、今本棚に並んでいるのは、10年くらい前にアマゾンで改めて買い揃えたもの。

でも、「ときには星の下で眠る」だけは、高校生の時に買ったものをずっと持ち歩いているものです。

子どものころから引っこしがおおくて、ふるいものを持ち続けることにもあまり興味がなく、実家を解体した時に、残っていたものもまとめて廃棄してもらった。高校の卒業アルバムとか、そういうものだ。よく考えてみると、高校生だった頃からずっとぼくの手元にあるものとしては、もしかすると、この一冊の文庫本くらいなのかもしれない。

いま、ぼくが持っているこれらの本たちは、装丁が新しいものが多いのだけれど、高校生だったころに読んだ文庫本では、カバーにアメリカやハワイ(ハワイもアメリカ合衆国の一部ではあるのだが)のスナップ写真がつかわれていた。おそらくはコダクロームで撮られたのであろうこれらの写真が、石ころを手のひらでみがき続けているような片岡氏の日本語のつかい方とともに、ぼくの中で「よいもの」のひとつの基準のようなものになっている、ということに、今気づいた。

これらの写真は、ハワイのものは佐藤秀明という写真家によるもので、アメリカ本土のものは大谷勲によるものだ。「ときには星の下で眠る」で使われている、信州で撮影されたのであろう、オートバイとライダーの写真も、大谷勲氏によるものだ。佐藤氏は現在も活躍されていて、先日写真集を買った。「ノース・ショア」という写真集だ。

大谷勲氏のその後の活躍が気になって、インターネットで検索をしてみるのだが、いま、彼の居場所を知るものはいない。

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Olympus OM-D E-M5 Mark II + M. Zuiko Digital 30mm Macro F3.5 + Jpeg (Picture Mode: Flat)

「町からはじめて、旅へ」というのはエッセイ集なのだけれど、この中に収められている、クラスメートの女の子にカレーパンとヨーグルトを買ってきてもらう、というお話がすきだ。

一体、あの少女たち、少年たちはどこにいってしまったのか。